ナンパ未遂

今日はむつき嬢とMarica嬢と下北散策の後、新宿ミーティング。
下北のこといっぱい書きたいのですが、帰りにステキな物語があったのでそちらを記しちゃいます。

よく歩いて疲れたので、帰りはせっかく乗った急行を途中で各駅に乗り換えました。で、辛うじてあいていた席に座りました。隣の席には女の子。今風の格好をしていて(カワイイ)、髪型はボブ、膝にはたくさんバッグやら紙袋が乗っています。で、片方の手にはタオルハンカチを握り締め、顔を伏せて肩を震わせておるのです。
何事!?
最初はちょっと嫌な気分になりました。しかし電車が走り出すと段々気になってきます。向かいの窓に映った彼女を観察しました。
すると彼女は顔をあげ、少し鼻をすすりましたが気丈な顔を見せました。どこか遠くを見るようにしています。何か必死に耐えている様子。
「何かあったの?」
と聞きたくなったけどなんか我慢。ところが、彼女はまた顔を伏せて肩を震わせました。
私の降りる駅まで後二つ。
「具合、悪いんですか?」
とうとう言っちゃいました。
すると女の子は少しこちらに顔を向け、気丈に笑って首を小さく横に振りました。
…う????
…超かわいい。
色白で、目はおっきくて、ピンク色の唇の端はシャープな線を描いています。
整った輪郭を優しい感じにしている黒い前髪。
絶対、若い。
「大丈夫?」
笑ってかすかにうなずきます。
私はそれ以上声をかけるのを一応やめました。ほっておいて欲しいときがあるのです。知らない人に対して微笑んだ、ということは、弱みを見せた自分を恥じたのかもしれません。必死に泣き顔を見せまいとして彼女は耐えたんだろうと考えました。私もそうすることがある。辛いときほど、人に悟らせまいとして笑顔を作ってしまう。

でもなんかじっとできなくなった私は、降りるときにまた声をかけよう、と思いました。できれば話しを聞いたりしたいなと思ったけど、私も疲れてるし家に帰りたい。
ところが、なんか彼女が身じろぎを始めたのです。あら?ここで降りるの?一緒の駅?奇遇だなぁ…
そこで「ここで降りるんですか?」と聞くと、彼女は大丈夫、大丈夫というように首を振りました。あんまり絡んでも悪いので、私も降りるんだ、というゼスチャーをして立ち上がり、降りたホームで「頑張って」と小さな声で言いました。
彼女はにっこり笑ってうん、と頷きました。

うわああああああ
すげえかわいいいいいいいいいい
疲れてなかったら絶対お茶に誘った。
私が男だったら絶対お茶に誘った。(…却って無理でしょうか。)

また会えるといいなあ。…っていうか、元気出して欲しいなと思います。